もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

【ルクセンブルク郊外】ヴィアンデン城

こんにちは!koemo(くぅも)です。

 

 

ルクセンブルクの旅3日目。朝はルクセンブルク旧市街を散歩し、それから車で約1時間北上してヴィアンデン城にやってきました。ドイツとの国境近くにある古城です。(訪問日:2023年11月)

 

 

 

ヴィアンデン城(Château de Vianden)

ヴィアンデン城は、かつてはローマ時代の要塞だった建物の跡を引き継ぎ、11世紀頃にヴィアンデン伯爵が建てた居城です。

 

 

 

 

15世紀頃まではルクセンブルクで大きな影響力を持っていたヴィアンデン家ですが、その後衰退し、お城の所有者は変わっていきます。

 

 

 

 

オランダ公国の統治下である1800年代になるとお城は売却され、誰も手入れのしない廃墟と化しました。

 

 

 

 

当時、「レ・ミゼラブル」で知られるフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーは、亡命中にこの街を訪れ、ヴィアンデン城の美しさの虜になったと言われています。

 

そして、荒廃しきっていたヴィアンデン城の修復を広く呼び掛けたおかげで、お城は美しく生まれ変わるきっかけになったのだとか。

 

 

<今では年間を通してコンサートや中世のお祭りも催されています。>

 

 

1977年にルクセンブルク公国の所有となり、大々的な修復作業が行われて今に至ります。現在は内部が博物館になっていて、当時の中世時代の生活の様子を見ることができます。

 

 

 

 

なお、ヴィアンデン城は現在もルクセンブルク大公が外国からの来賓をもてなす際に使われており、上皇上皇后両陛下も訪れました。

 

 

 

 

なんと入口には真っ赤もみじルクセンブルクでもみじの紅葉を見られるとは思いませんでした。

 

 

 

 

それでは、中に入ってみましょう。

 

 

 

<礼拝堂>

上下階に別れ、真ん中の正六角形の空洞で繋がっているという、ちょっと特殊な構造になっています。上の階でお祈りをする時は、ここから下の階にある聖遺物を見下ろすように祈るのだとか。

 

白い壁にはかつてはテンプル騎士団フレスコ画が描かれていたそうです。

 

 



テンプル騎士団の司令官の部屋もあります。ヴィアンデン伯は礼拝堂建設のためにテンプル騎士団を呼び寄せました。

 

 

 

ものすごいお宝が入ってそう。お城のあちこちに置いてあって、当時は日常的に使われていたのでしょう。

 

 

 

 

 

<寝室>

ここにもお宝箱発見。これは旅行用の軽量版スーツケースだったようです。ベッドに立てかけてあるのは布団を温めるための暖房器具。

 

 

 

 

小高い丘の上に建っているだけあって、テラスからはヴィアンデンの街の風景を楽しむことができます。

 

 

 

 

 

バンケットルーム>

もともとはリビングやサロンとして使われていた部屋ですが、鉄のストーブが導入されたことで書斎になりました。右奥の食器棚は17世紀のもので、ヴィアンデン城のオリジナル家具の1つだそうです。(あ、またあった。お宝箱)

 

 

 

 

<キッチン>

昔はこんな場所で料理をしていたのですね。ほとんどは後から作られた複製のようですが、お鍋やスパイスラックなど当時の様子がわかります。

 

 

 

 

<料理長の部屋>

右側のタペストリーの下にある穴からはキッチンを見渡せるようになっています。(またあった。お宝箱)

 

 

 

 

<井戸>

12世紀に掘られたとみられている深さ54mの井戸。

 

 

 

 

そして、このお城の面白かったことの1つが、ARを使ったお城の移り変わりを見せる展示。専用アプリをその場でダウンロードする必要がありますが、スマートフォンのカメラを(↓)の展示物に向けると

 

 

 

 

400年頃のお城

 

 

 

 

1820年のお城

 

 

 

 

2018年のお城。

 

 

 

 

と、立体的にお城の移り変わりを見ることができます。

 

その他にも大画面の映像でヴィアンデン城の歴史を振り返るエリアがあったりと、古代ローマ時代の地盤など古いものを見せる一方で、最新技術を使った展示も豊富でとても充実した博物館でした。

 

 

 

 

ヴィアンデン城はヨーロッパ100名城に選ばれたと言うので、そもそも”ヨーロッパ100名城”ってなんだ?と思って調べてみたら、財団法人日本城郭協会が2010年に定めたものらしいです。日本人が選んだ名城リストでした。

 

イタリアやフランスのお城・城郭都市が並ぶ中で、ルクセンブルクはこのヴィアンデン城城郭都市ルクセンブルクの2つがランクインしています。

 

 

 

 

ちなみに、ベルギ―から選ばれた2ヶ所のうちの1つが、ゲントのフランドル伯居城でした。

 

 

 

 

 

ヴィアンデン城(Château de Vianden)

住所:Mnt du Château, 9408 Vianden, ルクセンブルク

時間:1~2月、11~12月 10時~16時

   4~9月        10時~18時

   3月、10月      10時~17時

休 :1月1日、12月25日

入場料:€10

オーディオガイド:€2(日本語あり)

 

 

 

 

<おまけ>

我が家の車の旅のお決まりは、最終日のスーパーマーケット。そこで見つけたのが、スペキュロス味ヨーグルト。せっかくならルクセンブルク産のものをと探していて見つけた、LUXLAITというルクセンブルクのメーカーです。

 

 

 

 

スペキュロスとは、シナモンなどのスパイスが入ったビスケットで、ベルギーやオランダでよく食べられているお菓子です。オランダ土産の定番とも言われるものですが、スペキュロス味のヨーグルトは初めて見ました。

 

 

<ベルギーメーカーですが代表的なスペキュロス>

 

 

これが想像以上に美味しく、どうしてオランダで見かけないのか不思議に思ったのでした。ベルギーでは売られているのかしら。