もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

花の都フィレンツェ⑥隠れた名所?!サンタ・クローチェ教会

こんにちは!koemo(くぅも)です。



サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂ウフィツィ美術館など、フィレンツェの王道コースを巡るとどうしても影が薄くなってしまいますが、穴場的観光地としておすすめしたいのがサンタ・クローチェ教会です。

 

 

 

サンタ・クローチェ教会(Basilica di Santa Croce)

ドゥオモから徒歩約10分の場所にあるサンタ・クローチェ教会は、1294年に着工し、約90年かけて建てられました。

 

 

 

 

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の建設を始めた、アルノルフォ・ディ・カンビオによる設計と言われています。(雰囲気が似ていますね。)

 

 

 

 

サンタ・クローチェ教会は「イタリアの栄光の神殿」とも言われ、イタリアを代表する著名人たちのお墓があることで有名です。

 

 

 

 

 

主祭壇

まずは、ステンドグラスが鮮やかな主祭壇から。高くのびる天井とステンドグラスが綺麗です。

 

 

 

 

サンタ・クローチェ教会は、14世紀以降のオリジナルのステンドグラスが残る数少ない教会の1つです。

 

 

 

 

 

床の墓碑

教会に入ると、床のたくさんの石碑が目に止まります。いかにも中に人が眠っていそうなものから、何かの記念碑のような綺麗めのものまで。当時のフィレンツェ市民のお墓です。(お墓と言われると踏むのは気が引けるのですが、柵がない場所はみんな普通に上を歩きます。)

 

 

 


祭壇に近い方が神の救済に近いと考えられていたため、祭壇近くには多額の寄付をした貴族たちが眠っているそうです。(いつの時代も、すべてはお金です。)サン・ジョバンニ洗礼堂の天国の門を制作したギベルティの墓碑もあります。

 

 

 

 

 

 

そして、名だたる偉人たちのお墓を見ていきましょう。彼らの功績を称えた墓碑は、もはや墓碑と言うよりも立派な美術作品です。

 

 

 

 

ガリレオ・ガリレイ

イタリアを代表する天文学者であり、数学者であるガリレオ・ガリレイのお墓。

 

地動説を巡って教会からは破門されていましたが、生前にガリレオが家庭教師をしていたメディチ家の尽力もあって、死後100年近くたってからここにお墓を移すことが認められました。

 

 

 

 

中央で空を見上げているガリレオは、右手に望遠鏡を握り、左手には天球儀を持っています。

 

 

 

 

 

 

ミケランジェロ・ブオナローティ

フィレンツェで最も偉大な、彫刻家であり、画家であり、建築家でもあるミケランジェロのお墓。

 

ミケランジェロはローマで亡くなり埋葬されていましたが、親族がこっそり遺骨をフィレンツェに持ち帰ってきた(盗み出してきた?)らしいです。

 

 

 

 

ミケランジェロの下に座る女性たちは、左から「絵画」「彫刻」「建築」を表しています。

 

 

 

 

壁面の一部は絵になっていて、どこまでが立体でどこまでが平面なのか見分けがつかないほど手の込んだ作品。

 

これを制作したのは、ウフィツィ美術館ヴァザーリの回廊、ドゥオモの天井画を手掛けたジョルジョ・ヴァザーリです。

 

 

 

 

 

 

ダンテ・アリギエーリ

フィレンツェ生まれの詩人ダンテの慰霊碑。代表作「神曲」はルネサンスの先駆けと言われています。

 

 

 

 

古典的な衣装を着て、月桂樹の冠をかぶったダンテ。物思いにふけり、腕を”神曲”の上に置いています

 

 

 

 

 

 

ニコロ・マキャベリ

フィレンツェ生まれの政治思想家&外交官だったニコロ・マキャベリのお墓。政治や外交のあり方を説いた「君主論」の著者です。”やらぬ後悔よりも、やる後悔”の言葉を残した人でもあります。

 

 

 

 

女性が中心人物のように見えますが、女性が右手に持つメダルに描かれた肖像画マキャベリ。女性の左手には、外交(政治)に必要な”バランス”を象徴する天秤が握られています。

 

 

 

 

 

 

ジョアキーノ・ロッシーニ

セビリアの理髪師」や「ウィリアム・テル」などのオペラ作曲家として有名なロッシーニのお墓。オペラ劇場を思わせるドレープカーテンがなんとも素敵。大理石とは思えません。

 

 

 

 

ロッシーニの胸像の下に並ぶ模様は、なんとト音記号!そして金の装飾など、他のものとは少し雰囲気が異なるのは、1902年と意外と最近造られたものだからかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ジョヴァン・バティスタ・ニッコリーニ

誰?と思うかもしれませんが、イタリアの劇作家です。彫刻家ピオ・フェディによって「詩の自由」をテーマに制作されたこのお墓は何かに似ていると思いませんか?

 

 

 

 

ニューヨークの自由の女神を制作したフレデリック・バルトルディは、ここからインスピレーションを得たと言われています。たしかに、そっくり!

 

 

 

 

↓↓フレデリック・バルトルディは、フランス・コルマールの出身です。

 

 

 

 

フローレンス・ナイチンゲール

フィレンツェで生まれ、現代の看護職の創始者とも言われるナイチンゲールのモニュメント。名前の”フローレンス”は、フィレンツェの英語名です。

 

聖堂内部ではなく、外廊下の出口付近にあります。

 

 

 


負傷兵を看護した際に名づけられた「ランプを持つ貴婦人」というあだ名に因んで、右手にはランプを持っています。

 

 

 

 

 

こうして見ると、本当に誰もが知っているような著名人が並んでいて、この人もイタリア人だったの?!と、改めてイタリアのすごさを感じました。小学校の図書室を思い出してしまいました。

 

 

 

 

 

イタリアで絵画や教会見学にちょっと飽きたら、こんな場所を訪れてみるのも楽しみ方の1つです。

 

 

<教会前に建つのはダンテの像>

 

 

 

サンタ・クローチェ教会(Basilica di Santa Croce)

住所:Piazza Santa Croce 16, 50122, Florence 

時間:月~土 9時半~17時半

   日   12時半~17:45

入場料:€8

オーディオガイド:€6(日本語なし)

 

 

 

 

<おまけ>

11月後半に訪れたので、教会前の広場では小さいながらクリスマスマーケットが開かれていました。