もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

花の都フィレンツェ②サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

こんにちは!koemo(くぅも)です。

 

 

花の聖母教会」という名を持ち、フィレンツェの中心に堂々と聳え立つサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、フィレンツェの顔とも言えるカトリック教会です。

 

 

 

 

通称「ドゥオモ=大聖堂」と呼ばれ、ドゥオモ(大聖堂)サン・ジョヴァンニ洗礼堂ジョットの鐘楼の3つの建物で構成されています。

 

 

フィレンツェの景色と言ったら、必ずと言っていいほどドゥオモの大きな赤いクーポラが写っているので、見たことある人も多いはず。

 

 



 

 

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)

1296年、かつてサンタ・レパラータ教会のあった場所に、さらに大きな大聖堂を建てるべく、アルノルフォ・ディ・カンビオによって着工されます。しかし、彼の死によって工事は一時中断。

 

 

1334年、ジョット・ディ・ボンドーネが総監督を引き継ぎ、ドゥオモの建設再開と同時に鐘楼の建設も始めますが、彼の死によりまたも一時中断。

 

 

 

 

1436年、最後に残るドゥオモのクーポラをフィリッポ・ブルネレスキが完成させ、ほぼ現在の姿となりました。

 

当時の建築技術ではこの巨大なクーポラは実現不可能と言われていましたが、画期的な建築技法によってこれを成し遂げたブルネレスキは絶大な称賛を得ることとなりました。

 

 

 

 

奥行153m、高さ100mをこえる大聖堂は、当時は世界最大規模。フィレンツェの経済的繁栄だけでなく、芸術的、技術的なレベルの高さを象徴する建築物だったのです。

 

 

 

 

とは言っても、当初の正面ファサードは下半分のみ装飾されて未完成のまま200年以上放置されました。そして新しいファサードを作るべく一度取り壊されるものの、なぜか新ファサード計画は実現されずにさらに放置。最終的に正面ファサードが完成したのは1887年と、建設開始から約600年も経っていました。

 

 

 

 

(オレンジ?)と白のイタリアンカラーで彩られた天然大理石の装飾はとても美しく、巨大な大聖堂にも関わらず圧迫感を全く感じさせません。むしろ華やかさ・可憐さを感じるほど。

 

 

 

 

ドゥオモ広場は観光客で溢れているうえに、正面にはサン・ジョバンニ洗礼堂が建っているので全景を収めるのはとても難しいです。

 

 

<左がドゥオモ、右がサン・ジョバンニ洗礼堂>

 

 

中に入ると、聖堂内部は外壁とは対照的に非常にシンプルな造り。教会によく乱立している柱も数えるほどしかありません。

 

 

 

 

まずは聖堂の後ろにある、不思議な文字盤の時計。

 

一番下にある24時日没とし、半時計周りに針が進むという、世界で唯一現存する時計です。長針・短針はなく、針は1本のみ。残りの日照時間を把握できる一方で、日々変わる日没時間に合わせて調整が必要です。

 

 

 

 

そして、ドゥオモ最大の見どころは、クーポラの天井部分に描かれたフレスコ画です。旧約聖書の「最後の審判」を題材とし、ジョルジョ・ヴァザーリと弟子たちによって描かれました。ヴァザーリメディチ家に支援されていた芸術家の1人です。)

 

 

 

 

聖堂内がシンプルなだけに、余計に天井画の存在感が際立ってます。この巨大な絵には、約700体の人物が描かれているのだそう。クーポラの曲線に合わせ、さらにこの高さ、大きさ、そしてこの細かさ。描いた画家の体力は相当のものだろうと想像してしまいます。

 

 

 

 

見続けていると首が痛くなります。そして、みんなが上を注視しながらぐるぐる動くので、足元もご注意ください。

 

 

 

 

もっと間近で見たい場合は、クーポラに上るとこの絵を間近で見ることができますよ。(クーポラに上る方法については後程。)

 

 

 

 

 

サン・ジョバンニ洗礼堂ジョットの鐘楼については次回に続きます。

 

 

 

フィレンツェの街を歩くと、いかにクーポラが巨大かがよくわかります。>