もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

ベルギー第3の都市Gent(ゲント)①

こんにちは!koemo(くぅも)です。

 

今回は、オランダ・アムステルダムから比較的近く、週末の1泊旅行で楽しめるベルギーのGent(ゲント)という街を第二回に分けてご紹介します。

 

 

Gent(ゲント)ってどんな街?

ブリュッセルアントワープに次ぐ、ベルギー第3の都市と言われているGent。英語では"ゲント"と呼ばれますが、ベルギー北西部オランダ語圏であるため、現地のオランダ語読みをすると"へント"になります。

 

ちなみに、ベルギーの公用語は、オランダ語・フランス語・ドイツ語と3つも(!)あり、地域によって話される言語が異なります。

 

 

 

 

ゲントは12世紀以降織物業を中心に商業や貿易で発展しました。運河が街の中を流れているのが特徴のため、訪れる前は正直に言ってアムステルダムと同じような街並みじゃないの?」って思っていました。

 

ですが、オランダのアムステルダムやベルギーのブルージュとは似ているようで全く違う雰囲気。中世の面影を残す建物を眺めながら石畳の上を街歩きをするだけでも楽しい街でした。

 

市内中心部は自動車の進入が制限されているため、それも街歩きしやすった理由の一つだと思います。

 

 

スケジュール

訪れたのは、2022年8月

 

ゲントまではアムステルダムから約3時間で行くことができます。電車の場合は、Thalys(タリス)という特急列車に乗ってアントワープまで1時間半、アントワープで乗り換えてから約1時間です。

 

 

 8時 アムステルダムを出発(車)

11時 ゲント着  車を市内中心の駐車場へ

16時 ゲントを出発 ブリュッセル

 

 

今回はホテルをブリュッセルに予約していたので、正味5時間というちょっと駆け足での観光でしたが、一通り周ることはできました。ですが、もう少しゆっくり見ても良かったなという印象です。

 

美術館や博物館をじっくりゆっくり見学しようと思ったら2日ぐらい必要になってしまうかもしれませんが、街自体はそこまで大きくないので、街の中心部だけをぐるっと見るのであれば、1日で十分楽しむことができると思います。実際、今回は車を市内中心部にある公共パーキングに止めてからはすべて徒歩での観光です。

 

 

今回利用したのはここのパーキング。料金は時間制ですが、約5時間駐車して、€10程度でした。市内中心部にも近くて便利でした。

 

 

 

聖バーフ大聖堂(Saint Bavo's Cathedral

ゲントに行ったら是非訪れていただきたいのが、聖バーフ大聖堂。ヤン・ファン・エイク作の「神秘の子羊」、別名「ゲントの祭壇画」は必見です。

 

 

 

 

元々は942年に建てられた聖ヨハネ教会が由来となっています。現在の聖堂は12世紀から建設が始まり、16世紀に完成しました。1500年、後の神聖ローマ皇帝となるカール5世はゲントで生まれ、この聖バーフ大聖堂で洗礼式を行っています。

 

 

 

 

1536年、カール5世はバーフ修道院の解散を命じます。修道院は兵舎へ改修され、修道院たちは聖ヨハネ大聖堂に移ることになります。その後、聖バーフ大聖堂と呼ばれるようになりました。

 

 

 

 

教会内は無料で見学ができます。見上げる高さの天井とステンドグラスは荘厳そのもの。繊細な彫刻や礼拝堂はまるで美術館のような美しさです。

 

 

 

 

そして、見逃してはいけない「神秘の子羊」。この絵を見るためには聖堂内でチケットを買わなくてはいけません。(インターネットからも購入可能です。)

 

 

 

€16

 

 

高っ!!絵を1つみるだけで?!

 

 

 

って思いますよね。はい、思いました。そのまま帰ろうかという考えすら一瞬頭をよぎりました。

 

ですが、結論から言うと、その価値はあります。絵に特別な興味があるわけでも、造詣が深いわけでもありませんが、あの時に帰らなくて良かったと思っています。

 

この€16のチケット売り場の先には地下室に下りる階段があり、そこではオーディオガイドを使って60分間のガイドツアーを聞くことができます。嬉しいことに日本語もあります。そのオーディオガイドと言うのが、なんとAR。初めて見ました。

 

 

 

 

地下室はそこまで広くはないのですが、(たしか)5~6エリアに区切られていて、それぞれで祭壇画が描かれた背景や、祭壇画に描かれている内容、そして祭壇画の波乱万丈な歴史など、詳しい説明が立体的な映像と共に流れます。

 

 

 


3Dなので、あたかも自分がそこにいるかのような空間が広がっています。説明を「読んで」いるとなかなか頭に入ってこない内容も、3Dメガネの先で、目と耳から説明を「見て聞く」と何倍も楽しめること間違いなし。

 

 

 

 

終わった後にメガネをはずして周りを見渡すと、「あれ?こんな狭い空間だったの?しかもすごい殺風景。」と驚くほどの、かなり内容の濃いガイドツアーでした。

 

 

そして、待ちに待った祭壇画との対面です。

 

 

 


15世紀のフランドル絵画の最高傑作とも言われるこの作品は、上下2段に分かれ、全部で12枚の絵画から構成されています。さらに、両端の絵は扉のように開閉式となっており、全て開くと、高さ3.5m、幅4.6mという大きさ。


両翼の裏側にも絵が描かれており、表裏合わせると19枚の絵になります。

 

 

 

 

600年近くも前に描かれたとは思えない繊細さと色鮮やかさ。バックのステンドグラスがさらに存在感を引き立てているように感じます。

 

 

 


ヤン・ファン・エイクが何を表現しようとしていたのか、絵画の一部は盗難にあったままいまだ行方不明であること(展示されているものは複製)、宗教改革で破壊を免れたこと、ナチスドイツに略奪されたものの、戦後ベルギーに変換されたこと、などオーディオガイドで事前に聞いた説明を思い出しながら、見入ってしまいました。

 

オーディオガイドなしの、絵を見るだけのチケット(€12.5)もありますが、間違いなくオーディオガイド付き(€16)をお勧めします。

 

 

 

 

満足のいくまで神秘の子羊を眺めた後、聖堂出口にあるお土産屋さんで売られていたパズルは、思わず欲しくなってしまいました。(買わなかったけど、パズル好きには興味をそそります。)

 

 



 

聖バーフ大聖堂

住所:Sint-Baafsplein, 9000 Ghent, Belgium 

月~土 8時半~17時半

  日 13時~17時半

祭壇画:月~土 10時~17時

      日 13時~17時

入場料:無料(祭壇画を見る場合は€16または€12.5)

 

 

鐘楼

1300年頃に建てられたと言われている鐘楼。バーフ大聖堂の真正面にあります。本来の目的は、非常時に軍隊を招集する警報システムだったそうですが、後に市民の自治のシンボルでありギルド繁栄の象徴となりました。そして16世紀に本格的なカリヨンが備えられ、現在は54個の鐘が15分ごとに美しい音色を奏でています。

 

 

 

 

高さ90mの鐘楼には上ることができますが、今回は後述するフランドル伯居城から街を眺めたのでスキップしました。運が良いとカリヨンが鳴り響いているところを間近で見ることができるそうなので、これはこれで面白かったかもしれません。

 

 

 

 

ベルギーの世界文化遺産の中に、ベルギーとフランスの鐘楼群というものがあります。ベルギーとフランスを合わせて56の鐘楼が登録されており、ゲントの鐘楼はそのうちの1つです。

 

 

ゲントの鐘楼

時間:10時~16時

休業:12月25日 及び 1月1日

入場料:€11

 

 

ゲントの見どころはまだまだ続きます。