もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

2度目のローマのまわり方⑦ヴァチカン市国とサン・ピエトロ大聖堂(後)

こんにちは!koemo(くぅも)です。

 

 

行列は必至ですが、何度訪れてもいいと思えるサン・ピエトロ大聖堂です。今回の最大の目的はクーポラに上ること。その前に大聖堂内部を見学します。

 

 

 

サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)

西暦64年、イエス・キリスト使徒であり、初代ローマ教皇聖ペテロがここに葬られたことが始まりです。

 

その後、初めてキリスト教を公認したコンスタンティヌス帝がお墓の上に教会を立て、そして1506年から120年も続く大改築によって、ついに現在の形になりました。

 

 

サン・ピエトロ大聖堂入場の列>

 

 

大聖堂への入場は無料です。つまり予約はできませんサン・ピエトロ大聖堂7時から開いているので、朝一番が最も空いていると言われていますが・・・今回は訳あって午後からの入場です。

 

14時過ぎに並び始めましたが、30分程度で入ることができました。中は広く、セキュリティチェックに並んでいるだけだからかな?思ったよりスムーズで良かったです。

 

 



いよいよ大聖堂に入るその前に、入り口付近にはこのような扉が5つあります。そのうちの1つが、25年に1度だけ開かれる聖なる扉。聖なる扉をくぐるとすべての罪が消えて天国に行けると言われています。

 

次回は2025年です。

 

 

後でよく見たらこの扉ではなかった…。たぶん残りの4つのうちのどれかです。

 

 

それまで扉の裏側(大聖堂内部)もがっちり閉じられています。

 

 

 

 

扉が開く年は世界中から信者が訪れ、ローマは人で溢れかえります。

 

実は、25年に1度と言いつつ、2015年にも ”特別に” 開かれました。「なんで?」と、ローマ在住の友人に尋ねたら、「イタリアのお金がなくなったからじゃない?」と言われました。そんな不謹慎な(笑)

 

 

<大聖堂に入る前の玄関ポーチ部分でさえこの広さ>

 

 

クーポラに上るためのチケット売り場は(↑)の写真の人混み部分ですが、まずは最初に大聖堂の見学をしたいので、右側の大きな扉をくぐります。(先にクーポラに上ってから大聖堂を見学することも可能です。)

 

 

 

 

おぉ・・・。これは本当に教会?と思ってしまうほどの広さと豪華さ。身廊の幅は58m。ひとつの柱がこの大きさです。

 

 

 

 

入ってすぐ右手にあるのが、ミケランジェロピエタ。いくつかあるミケランジェロピエタ像の中でも最も有名とも言える作品です。

 

 

 

 

フィレンツェにあるピエタ像は70歳を過ぎてから作られましたが、サン・ピエトロ大聖堂ピエタ像はわずか23歳の時の作品です。そして、唯一完成された作品です。

 

 

 

 

まだ無名に近かったミケランジェロですが、あまりにも完成度が高いために制作者を疑われ、怒ったミケランジェロはマリアのたすき部分に自分のサインを残しました。ミケランジェロは後々これを後悔したため、生涯で唯一サインが残るものだそうです。

 

 

 

 

イエス・キリストの第一弟子であり、初代ローマ教皇である聖ペテロの像。祭壇の手前(右)にあります。

 

 

 


聖ペテロのつま先は、敬虔な信者が撫でたり口づけをしたりするので、つるっつるに磨り減っています。今まで何万人(何億人?)の人に撫でられたのでしょう。

 

 

 

 

ちなみに、この聖ペテロ像を制作したのは、フィレンツェサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を最初に設計したアルノルフォ・ディ・カンビオです。

 

 

 

 

そして、中心にどどーんと鎮座する主祭壇。ここは唯一ローマ教皇だけがミサを行うことができる神聖な場所。サン・ピエトロ広場も設計したベルニーニの作品です。

 

 

 

 

主祭壇の下にあるのが聖ペテロのお墓。キリスト教徒にとっては聖地のようなものでしょうか。上から覗くのみで、近づくことはできません。

 

 



そして、主祭壇の奥にあるのが聖ペテロの司教座。中心に光輝くステンドグラスに描かれた「鳩」は平和の象徴です。こちらもベルニーニの作品です。

 

 

 

 

主祭壇にかかる天蓋(バルダッキーノ)越しに司教座を見ると、まるで額縁のよう。ベルニーニはこれもすべて計算の上なのでしょうか。

 

 

 

 

さらに、主祭壇の真上を覆うのが、ミケランジェロが設計した巨大なクーポラ。あとであそこに上ります。

 

 

 

 

その他にもたくさんの絵画や彫刻が飾られていて、じっくり見ているとあっという間に時間が過ぎます。

 

ラファエロ作「キリストの変容」。オリジナルはヴァチカン美術館に展示されていますが、たとえレプリカでも大聖堂に飾られると神々しい。

 

 

 

 

ローマ教皇「アレクサンデル7世の墓碑」もベルニーニの作品です。実は教皇の真下にあるのは出入口。扉があるように見せないため?ベルニーニはベール状の大理石で上部を覆いました。

 

 

 

 

そして、扉の上をよく見ると・・・骸骨?!扉を冥界への入口かのように思わせるデザインに、ベルニーニのセンスを感じます。骸骨が握る砂時計は人生の儚さ(残りの人生?)を表しているのだとか。

 

 

 

 

今までいろいろな教会や大聖堂を見て、大きい、広い、豪華、荘厳etc...いろいろな感想を持ちましたが、どれもここには敵わない。そう思いました。キリスト教徒ではありませんが、心が洗われたような気がしました。

 

 

 

さて、次回はいよいよサン・ピエトロ大聖堂のクーポラに上ります。