もーっとヨーロッパ

オランダ在住30代旅好き主婦が巡るヨーロッパ。週末旅行を中心に、見どころも期待外れも包み隠さずご紹介。欧州旅行のヒントがきっと見つかる。

スペイン牛追い祭(サン・フェルミン祭)に行ってみた!(後)

こんにちは!koemo(くぅも)です。

 

 

スペイン北部のパンプローナで行われているサン・フェルミン祭にやってきました!(2023年7月)

 

 

 

サン・フェルミン祭とは?

もともとはパンプローナ守護聖人、聖フェルミンを称える宗教的なイベントでしたが、ヘミングウェイが小説「陽はまた昇る」の舞台にしたことで、世界的に有名なお祭りになりました。

 

今では毎年100万人の観光客が訪れるスペイン三大祭りの1つです。

 

 

 

 

7月6日の正午に市庁舎広場で行われる開会宣言は、市長による開会宣言とともにワインをぶちまけあい、広場の周りに建つバルコニーからは大量の水がかけられ、なんともクレイジーな幕開けです!

 

 



 

 

 

エンシエロ(Encierros)

サン・フェルミン祭の中で、最も白熱するイベントがエンシエロと呼ばれる牛追いです。牛追いの起源はその日の闘牛で闘う牛を移動させることでしたが、いつからか牛の前を走って誘導するようになり、そして現在の牛追いになったのだとか。

 

 

 

 

開会式翌日の7月7日から最終日の14日まで、毎朝8時のロケット花火と同時に闘牛たちが闘牛場を目指して約800mのルートを駆け抜けます。その牛に追われるように、人々も闘牛場を目指して走ります。時間にしてわずか3分

 

 

<走行ルート>

Pamplona Bull Run Map | About the Running of the Bulls

 

 

 

これを見るために遥々やって来たのですが、さて、どうやって見ればいいの・・・?

 

 

 

ゴールとなる闘牛場の観客席のチケット(€6)を買う。(ネットで購入可)

ゴールをした後は闘牛場で素人闘牛が始まるので、それを見ることができる。ただし、走っている姿は会場のスクリーン越しになる。⇒走っているところを見たい…。

 

 

 

 

コースの脇に設置された柵の上や隙間から見る。

100万人がこの牛追いを見に来ているわけで、ホテルの人曰く、朝5時には場所取りが必要らしい。⇒無理。(若者は夜通し飲んで騒いで盛り上がってます。)

 

 

 

 

コース沿いの家のバルコニーから見る。

各部屋がバルコニーを観客席として貸し出していますが・・・その値段は€100~400/人。⇒そこまでは出せません。

 

 

 

 

一緒に走る。(希望者は誰でも牛と一緒に走ることができます。)

⇒一番確実。いやいや、危険です。毎年何人も病院に運ばれ、過去には牛の角に突かれて死亡したケースもあるのですから。

 

 

 

 

そこで、ホテルで聞いてみました。なんと、一番いい方法は闘牛場のすぐ手前=ゴール直前から走ること。

 

 

牛がスタートをしてから闘牛場に到着するまで約3分。それよりずっと前に闘牛場に到着し、会場脇によければ牛に突かれる心配もない。さらに無料で闘牛場に入れて、最も近くで闘牛を見ることもできると!

 

 

そんな手があるのか!まぁ、会場からはブーイングだけど、みんなやってるわよ~と笑いながら教えてくれました。よし、それでいこう。

 

 

 

 

朝6時半。既にこの人だかりですが、フェンス内に入ることには成功。奥に見える建物が闘牛場です。この距離なら余裕で牛より先に到着できそう。

 

 

と思ったのですが・・・

 

 

 

 

闘牛場の手前にバリケードを組んでいる、上半身赤色の警官たち。彼らがネックでした。

 

7時頃からバリケードがじわりじわりと前進してくるのです。(しかもスペイン語しか話さないので何を言っているのかわからない。)

 

 

 

 

どんどん後方に追いやられ・・・闘牛場は遠ざかり・・・

 

 

 

 

結論から言うと、この日は走る牛の姿はほとんど見ることはできませんでした・・・。

 

と言うのも、この辺りにいた人たちは最終的に全員脇道に追い出されてしまったから。追い出された人たちは急いでフェンス越しに見える場所を探しますが、既に遅し。そんな場所はとっくに埋まってます。

 

 

救護班用に作られた二重のフェンス越しに、牛のだけ見ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

闘牛場で観戦!

このままでは不完全燃焼なので、翌日はおとなしく闘牛場のチケットを購入することに。

 

 

 

 

6時半過ぎ。自由席です。まだ席はたくさんありますが、前列の席をとるならこの時間には来ていた方が良さそうです。

 

 



待っている間は音楽が流れ、みんな歌って踊って、朝からハイテンション!7時頃からはバンドの演奏や今日走る牛の紹介が始まり、1時間半なんてあっという間です。(朝は涼しいので羽織物があると安心です。)

 

 

 

 

そして、8時に遠くで聞こえるロケット花火の合図で、牛たちの滑走開始です!スクリーン上の、走る牛、追われる人間、突かれる人間 etc に見入っていたら・・・

 

 

 

 

最初のランナーの到着です!ホテルの人の言った通り、会場では大ブーイング。彼らはどの辺から走ってきたのだろうか?昨日もう少し後方で陣取れば、外に追い出されずにすんだのでしょうか??

 

 

<会場を囲む塀の周りが避難場所。みんなそこに直行します。>

 

 

そして、牛の入場と共に大歓声!!最後の牛が闘牛場に入場した時点でドアは閉められ、それ以降のランナーは会場に入れなくなります。

 

 



その後は素人闘牛の始まりです。闘牛とは言っても剣を使うようなことはなく、牛の角も丸く削られているそう。参加者は勇敢さと度胸を示すべく、牛にタッチしようと果敢に挑み、時には突き飛ばされて空中回転?!そこに観客からの大歓声!

 

 

 

 

会場にいる牛は1頭ではないので、あっちもこっちも目まぐるしい!生で見ているからこその大迫力です!

 

 

 

 

20~30分の格闘?の後、牛たちはスタッフによってバックヤードに連れていかれて終了です。その後は観客席にいた人たちも会場に下りて記念撮影!

 

 

 

 

 

 

<感想>

コース沿いで走る牛を見るのもいいけれど、目の前を通りすぎるのは数秒。(しかも場合によっては足のみ。)それであれば、スクリーン上でレースの一部始終を見て、その後の闘牛もじっくり見ることができる①闘牛場のチケットを購入するのが、最も落ち着いて隈なく楽しめる方法かもしれません。(金銭的余裕があるなら、テレビで生放送のレースを見つつ、生のレースも見渡せるバルコニーが一番か?)

 

 

ちなみに、街中には今日走った勇敢なランナー向けの写真を販売しているお店がありました。もしランナーとして参加した場合は、自分の姿を探してみるといい記念になりますね。(病院に担ぎ込まれていなければ。)

 

 

 

 

 

 

 

エンシエロの後もイベントが盛りだくさん!

エンシエロは9時前には終了してしまいますが、サン・フェルミン祭は一日中続きます。

 

 

レストランやバーで飲んで食べていると、外で大きな音が聞こえてきたと思ったらパレードだったり、

 

 

 

 

あちこちにストリートパフォーマーが出没したり。そして、それに合わせて踊る人たち。

 

 

 

 

DJが来て広場がクラブ状態になったり、

 

 

 

 

闘牛場では本格的な闘牛も毎日開催されます。

 

 

 

 

さらに、毎晩23時に始まる打ち上げ花火。

 

 

 

 

こうして1週間、朝から晩までお祭り騒ぎが続くのです。テレビでは当日のエンシエロの様子が何度も流れ、ネットニュースでは”今日の最も勇敢なシーン”なんてものが毎日更新されます。

 

 

 

 

ハロウィンや夏祭りでもここまで参加者が同じ衣装を着て、盛り上がることはなかなかないのではないでしょうか?!街全体の一体感を肌で感じ、その一員になれるサン・フェルミン祭は、(ところどころクレイジーですが)スペインの太陽と情熱をこれでもか!というほど味わえるお祭りでした。

 

 

www.sanfermin.com

 

 

 

 

余談です。

朝6時半にエンシエロ会場に向かった時。中心部、特に裏道がものすごく悪臭。絶対に夜通し飲みまくった輩が道端でトイレをしている。。。サン・フェルミン祭の想定外の思い出の1つでした。