音楽の都ウィーンと言えば、モーツァルトやベートーヴェンなど偉大な音楽家たちが活躍した場所。そんな歴史を感じられるレストランに行ってみました。
Griechenbeisl(グリーヒェンバイスル)
旧市街の北東部、シュテファン大聖堂から徒歩6分の場所にあります。
Griechenbeisl(グリーヒェンバイスル)の創業はなんと1447年。オーストリア最古というレストランです。1447年と言うと、日本は足利氏の時代。ということは、銀閣寺で食事をしているようなもの…?!
店構えからして重厚感たっぷり。歴史の重みを感じます。そもそも建物自体が1200年頃の城壁の一部で、重要指定文化財になっているとか。
550年以上の歴史の中では、多くの偉人たちが訪れました。それを象徴するのが「マークトゥエインの間」。この部屋は壁にぎっしりと彼らのサインで埋め尽くされているのです。
四方のうち1面はパネルで保護され、かなり貴重なエリア。よく見ると・・・
モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)や
ワーグナーも!
正直、見ただけでは誰のサインかさっぱりなのですが、店員さんに尋ねるといろいろ指差して教えてくれました。
さらには、「世界三大テノール歌手」の1人、ルチアーノ・パヴァロッティ!
彼は写真も飾られています。
こうして見ると、小学校の音楽室にいた人たちは本当に存在していたんだって気になります。見つけられたのはここまででしたが、この壁にはシューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウスなど名だたる音楽家に加え、ドイツ帝国を築いた鉄血宰相ビスマルクの孫、ビスマルク伯爵などもいるそうです。もちろん、部屋の名前にもなっている、トム・ソーヤの冒険の著者、マーク・トゥエインも。
パネルのない3面の壁には最近と思われるサイン。その中には・・・
ミュージカル俳優の井上芳雄。東宝版「エリザベート」にも出演していた方です。
その上には、控えめに山本耕史。
日本人のサインはわかりやすくていいです。でも松平健のサインは見つけられませんでした。写真だけなのかな?
さて、肝心の料理ですが、これもまた雰囲気に負けないほど格別でした。
Classic veal « Wiener Schnitzel » with potato-field salad €29.90
ドイツでシュニッツェルを食べた時。途中で飽きて飽きて、さらに食べ終わった後の胃の重さに若干後悔するほどの量と油で、もうシュニッツェルはいいや・・・と思っていたのですが、ウィーンのシュニッツェルは違う!と言われて半信半疑で注文。
すると、ここのシュニッツェルはびっくりするほどさっぱり!衣にもしっかり味がついていて、お肉も柔らかく、さらにセットで付いてくるサラダ(&ポテトが下に入ってます)にかかる酸味のあるドレッシングがちょうどいい箸休めになって、この大きさでもペロッと食べてしまいました。
国の違いか、お店の違いかはわかりませんが、とにかく「Griechenbeislのシュニッツェルは美味しい。」ここならまた食べに来たい!と思うシュニッツェルでした。
Roast pork – from the Austrian Rye pork with Sauerkraut and dumling slices €22.90
もう1品はローストポーク。店員さんにグヤーシュとどちらがおすすめ?ときいたら、自分はローストポークの方が好きって言われたので。
これまた、ほろっほろっのお肉で、見た目よりもあっさり。だけどジューシー。豚肉好きにはたまらない一品です。
メニューはそんなに多くありませんが、どれも量が多そうだったので、前菜は頼まず2人でメイン1品ずつにしてちょうどいい量でした。お酒をつけて、合計€63。
大層な偉人のサインに囲まれ、BGMはウィーンらしくクラシック。雰囲気は由緒正しき老舗といったかんじですが、格式張っていることはありません。そして、古さとサインだけで有名になっているでわけではなく、しっかりと「美味しい」レストラン。
この値段でこの食事ができるなら大大大満足です。
ちなみに、レストランには部屋がいくつかありますが、サインがあるのは1部屋のみ。今回は予約する時にリクエストしておいて良かったです。
Griechenbeisl(グリーヒェンバイスル)
住所:Griechengasse 9 Fleischmarkt 11, A–1010 Vienna
時間:月~日 12:00~23:00