12月が近づくと、日に日に陽が短くなる一方でクリスマスの楽しみがやってきます。クリスマスマーケットは12月以降の開催のところが多いのですが、11月に一足早くウィーンのクリスマスマーケットに行ってきました。

ウィーンのクリスマスマーケット
音楽と芸術の都ウィーンのクリスマスマーケットは、旧市街の中だけでも何ヶ所も開催されます。ただでさえ美しい街並みが、この期間はさらにクリスマスの装飾に輝き、クリスマスマーケット巡りをしているだけでも幸せな気分になります。

ヨーロッパでクリスマス期間と言うと、基本的にアドベントと呼ばれる「キリスト降誕を待ち望む期間」を指します。
よって、ドイツやフランスのクリスマスマーケットは11月の最終週から始まることが多いのですが、ウィーンで開催される多くのクリスマスマーケットは、毎年11月中旬から。より商業的という見方もありますが、12月は忙しいけど11月ならお休みがとれる!という方にもおすすめです。
プンシュ (Punsch) を飲もう!
ドイツのクリスマスマーケットと言えばグリューワイン(Glühwein)が有名ですが、オーストリアではプンシュ(Punsch)と呼ばれる飲み物が欠かせません。
<↓↓ドイツのグリューワイン>
どちらもスパイスや果汁の入った温かいアルコールドリンク。しかし、ワインベースのグリューワインに対し、プンシュは基本的にラム酒が入っているのだそう。どのお店にもグリューワインとプンシュの両方が置いてあるので、飲み比べてみるのも◎。

でも、実際には屋台によってベースとなるお酒も味も多種多様で、グリューワインと何が違うのかはよくわかりませんでした。

強いて言うなら、プンシュにはオレンジプンシュやアップルプンシュなど、フルーツの種類がたくさんあります。このお店なんか、ウォッカプンシュやジンプンシュもあります。いろいろ試してお気に入りを探してみるのも楽しいですよ。

そして、ドイツ同様にマーケットによってマグカップのデザインが異なり、最初にデポジットを支払いますが、気に入ったらそのまま持ち帰ってOKです。カップを返せばデポジットは返金してくれます。

値段はどこも€5~6+デポジット€4~5といったかんじでした。
シェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)
開催期間:2024年11月8日~2025年1月6日
今回訪れた中で、唯一旧市街から離れているマーケットです。シェーンブルン宮殿の観光と合わせて訪れるのがおすすめ。

ここはウィーンで最も高貴でエレガントなクリスマスマーケット。なぜなら、宮殿の敷地内で開催されるから。マリア・テレジア・イエローと呼ばれる黄色い宮殿を背景に、光り輝くクリスマスツリーがなんとも豪華な空間です。

クリスマスマーケットはどこもそうですが、夜になるにつれてどんどん混雑するので、明るいうちに屋台を散策&宮殿内の見学をすることにしました。この時期は4時過ぎに陽が沈むので、午後に訪れれば明るい時間帯と暗い時間帯の両方を楽しむことができます。

まずは腹ごしらえ。ケーゼシュペッツレ(Käsespätzle)という、ドイツ料理らしいですがパスタとチーズを和えたものをチョイス。€9.5。

上にかかるのはロースト玉ねぎ。見た目からわかるようにマック&チーズによく似ていますが、中が空洞のマカロニとは異なりもっちりパスタはニョッキのような食感でお腹にずっしり。

敷地内には、クリスマスグッズ、工芸品、飲食店など約90の屋台が並びます。

オーストリアのPERZY社は1900年に創業した世界最古のスノードームメーカー。ハプスブルクの皇帝からも栄誉を授けられたとか。ウィーンの観光名所が中に入っているものも多く、お土産にもぴったりです。一番小さいもので€12~。スノードームの屋台は、他のマーケットでも多く見かけました。

ウィーンと言ったらハプスブルク家。皇帝フランツ・ヨーゼフ一世とエリザベート皇后のクリスマスオーナメントを発見!これこそウィーンらしいお土産かも。実はここでは€20でしたが、後日旧市街のクリスマスマーケットで見つけたものは€15でした。(ただし、見かけたのは2ヶ所のみでした。)

もちろんプンシュのお店もたくさんあります。シェーンブルン宮殿のマグカップは白地に茶色で描かれたシックなデザイン。シェーンブルン宮殿とエリザベートの2種類があります。


クリスマスマーケットはもちろん、宮殿の庭園も無料で散策できるので(11~12月は17:30に閉まります。)、ゆったり優雅な雰囲気を楽しめるマーケットでした。

www.weihnachtsmarkt-schoenbrunn.at
マリアテレジア広場(Maria-Theresien-Platz)
開催期間:2024年11月13日~12月31日
自然史博物館と美術史博物館に挟まれるように広がるのがマリア・テレジア広場。

広場の中央に鎮座するのは、オーストリア・ハプスブルク帝国の繁栄を築いた女帝マリア・テレジアです。

ここのクリスマスマーケットの規模は小さめ。18:30頃訪れましたが混雑を感じることはありませんでした。

ウィーンの絵柄が描かれたキャンドルホルダー、可愛い!

屋台に関して言うと、どこのマーケットでも8割は同じようなものを売っていた印象です。なので、後から欲しくなってもどこかしらで見つかるはず。

ただし、残り2割はそのマーケットにしか出店していないお店かも?
そう言えば、クッションカバー系はここでしか見なかった気がします。

変り種プンシュのお店がありました。ピーチ&アプリコット&マンゴープンシュや、リンゴ&洋ナシプンシュ?!

でも初日だったので、最もポピュラーなオレンジプンシュを。気温2℃(+風強め)という寒さでしたが、飲んだ瞬間に体がぽかぽか。やっぱり理に適った飲み物なんですね。
ただ、この時は初日でまだわかりませんでしたが、後日何回か飲んだ中でここのプンシュが最もラム酒が強く、アルコールを感じるプンシュでした。
<ブーツ型は可愛いけど、絶対に洗いにくいのでカップは返却。>

そして、夕飯にはホットドッグを。€7.8
どうやらクラシックは細めの茹でソーセージで、太いグリルソーセージ(BRATWURST)とチーズ入りソーセージ(KASEKRAINER)の3種類です。

ドイツが近いから?ウィーンで食べるホットドッグはどれも美味しかった!パリッじゅわっでボリュームたっぷり。食べ歩きがしやすいのも嬉しいです。

シュテファン大聖堂(Domkirche St. Stephan)
開催期間:2024年11月8日~12月26日
ウィーンを訪れたら必ず行くことになる(であろう)シュテファン大聖堂前で開かれるクリスマスマーケット。この辺りはメインストリートなので、わざわざ予定に組み込まなくても、結果的に立ち寄ることになると思います。

ヨーロッパらしいゴシック建築を背に輝くイルミネーションと、大きなクリスマスツリー。地下鉄のStephansplatz駅から地上に出たら、目の前にこんな光景が広がるのだから驚きます。

ここも他のマーケットと同様に、工芸品やクリスマスグッズ、飲食店が並びます。

どうしてブロッコリーをツリーに飾ろうと思うのだろうか。

はちみつ屋さん。いろいろな種類を味見することもできます。

ここのプンシュはマリア・テレジア広場と同じブーツ型のマグカップでした。

屋台は40軒ほどと大きくありませんが、場所柄、混雑具合は高めです。昼間も開催されているので、ここは昼間の観光ついでに訪れる方が賢明かもしれません。
カールス広場(Karlsplatz)
開催期間:2024年11月15日~12月23日
ウィーンのリング通りの外側に位置するので、旧市街中心からは少し離れますが歩いて行くこともできます。地下鉄だとKarlsplatz駅から出てすぐ。カールス教会の目の前です。

「アート・アドベント」と謳っている通り、屋台は手作り工芸品が多めの印象。そして、子どもが遊べるエリアが広いです。

羊もいます!

メリーゴーランドに乗ってる少年は、どうして鳥かごの中にいるのだろうか。

焼き栗5個で€3。パリのクリスマスマーケットで食べた時は、炭の香りがするような焼き栗でしたが、ここはどちらかと言ったら蒸したような栗。「香ばしさ」は断然パリですが、「手が汚れない」という点ではウィーンに軍配。


<↓↓パリの焼き栗>
そして、ここのプンシュカップはとっても可愛いんです。


周りを見渡すと中が黄色いカップを持っている人もいたのですが、お店のお兄さんに「30」の意味を聞いたら、黄色は去年のデザインだよ!と。
記念に水色のカップをお持ち帰りにしました。持ち帰るって言ったら、飲み終わったカップを新しいものに交換してくれて、こういうちょっとした気遣いが嬉しいです。

ショッテン教会(Schottenkirche)
開催期間:2024年11月17日~12月23日
ショッテン教会横の、Freyung通り沿いで開かれるマーケットです。

かなりこじんまりとしていて、「古き良き時代の伝統的マーケット」といったかんじ。

ほうきやかごが売られているのも、地元民向けだから?

平日の午前中にたまたま通りがかって発見したので、とても空いていたこともありますが、屋台の雰囲気も他とは異なり、落ち着いたマーケットでした。

市庁舎前(Rathausplatz)
開催期間:2024年11月15日~12月26日
最後は、ウィーンで最も大きく、最も混んでいると言われている市庁舎前のクリスマスマーケットです。ウィーンで一番と言うだけあって、華やかさも断トツ!

もしどこか1つだけ訪れるのであれば、迷わず市庁舎前がおすすめです。他のクリスマスマーケットと比べて、雑貨系も食べ物系も種類が豊富です。
<お店に並ぶのはすべてクリスマスオーナメント>

薄いスチールで作られたクリスマスっぽい置物。たぶん手作り。

お土産にもなりそうなレープクーヘンなどを売るお店も。
※レープクーヘン…はちみつや香辛料を使った、クリスマス時期に食べられるお菓子。

スイーツのお店で売られていたのは・・・

ザッハトルテ?!
食べ歩きが難しそうだけど。

市庁舎前のクリスマスマーケットのプンシュは、真っ赤なクリスマスカラーのマグカップ。ここで飲んだベリープンシュwithラム €6は、いちごやラズベリーがゴロゴロ入っていて、今回飲んだ中で一番美味しかった!

他にも、シシィ(皇后エリザベートの愛称)プンシュ(=赤ワインwithアマレット)や、チョコ&オレンジプンシュなんて珍しいものも。ジンジャーオレンジプンシュは体が温まりそう。

大きなスケートリンクもあります。しっかり傾斜がつけられた長距離コースで、子どもだけでなく大人も楽しめます。

さらに、たくさんの写真スポットがあるのも、市庁舎前のクリスマスマーケットの特徴です。

木には赤いハートが吊るされて、みんなの”映え”スポット。

暗くなるにつれてどんどん混雑するので、ゆっくり周りたかったら昼間に訪れるのがおすすめです。でも、イルミネーションがとにかく綺麗なので、これを見なかったらもったいない!

時間が許すなら、シェーンブルン宮殿と同じく、夕方の明るい時間帯に一通り散策して、暗くなったらイルミネーションをさくっと堪能するのが、最も効率が良い方法だと思います。
<ライトアップされてからは、人が入らずに撮影することは不可能でした>

尚、市庁舎の目の前のトラムの駅Rathausplatz, Burgtheaterは、夕方から止まらなくなるので、ご注意ください。
ウィーンのクリスマスマーケットまとめ
ドイツやパリのクリスマスマーケットも訪れましたが、今回初めてウィーンのクリスマスマーケットに行って感じたこと。
飲食系の屋台は少なめ
他に比べて飲食店が少ないです。各マーケットに、各料理(ホットドッグ、ラクレット、グヤーシュ…など)が1軒ずつのイメージ。なのに、プンシュのお店はものすごくあります。
<くりぬいたパンにグヤーシュを入れてくれます>

飲食の値段は高め
マーケットによって若干の差はあるものの、基本的にどこも温かい食べ物は€10前後、プンシュは€5~6。
<特大プレッツェルは€6~7です>

安くはないので、マーケットではプンシュだけ飲んで、レストランでちゃんとした食事をするのもありだと思います。
Cash Onlyのお店もある
オクトーバーフェストの反省を活かして、今回は現金を多めに持って行きました。
<↓↓ Cash Only のお店ばかり>
正解!
カードが使えるお店と、現金のみのお店の割合は半々ぐらいでした。ATMのあるマーケットもありましたが・・・きっと手数料を取られるでしょう。
クリスマスピラミッドのようなものはない
ドイツではあちこちで見かけた、クリスマスピラミッドやくるみ割り人形のようなものは見かけませんでした。
ツリーにぶら下げるオーナメントが多めです。

以上、ウィーンのクリスマスマーケットでした!11月だったこともあり、混んでいるとは言っても、そこまで不快なほどではありませんでした。ただし、夜はかなり寒くなるので、暖かい恰好が必須です。
