ヘルシンキ中央駅から徒歩5分もしない場所に、ヘルシンキ中央図書館があります。本来、図書館なんて観光客にとっては全く用事のない場所、ましてやフィンランド語などさっぱり読めないので完全に縁のない場所のはずですが、これがもう驚きの連続。
今回ヘルシンキで訪れた中で、1番と言ってもいいほど印象深いかもしれません。
ヘルシンキ中央図書館は、フィンランドの独立100周年を祝う国家プロジェクトとして、2018年にオープンしました。「国民への贈り物」という意味も込められているという公共図書館は、オープン翌年に「世界のベスト公共図書館」にも選ばれています。
公共図書館なので、入場は無料です。
まずは3階へ。3階は、本の貸し出しやキッズスペースがメインです。
なんだ、この全面ガラス張りの明るい空間は!
図書館と言っても、椅子に座って静かに本を読むだけではありません。階段にクッションが置いてあったり、自宅にいるような感覚でリラックスできそう。しかも、写真でもわかる通り、コンセントがあちこちにあるのも嬉しい。
窓の外に向かって設置された椅子では夕陽を見ながら読書も。夏になると、外のバルコニーもオープンします。
コーヒーも売られているので、カフェにいる気分でいつまででも滞在できそうです。
ヘルシンキ中央図書館の所蔵品数は10万点以上。(↓)の本棚に並ぶのは子ども用のボードゲーム!こんなにあったら、子どもたちも帰りたくなくなってしまいますね。
この夕陽を見れただけでも、図書館に来る価値があったように思います。
次は2階へ。2階はワークスペースがメインです。
ここでは少人数で話し合いをしたり、作業をしたり。なんか大学のサークルラウンジみたい。もちろん、たくさんの電源コンセント付き。
静かに作業したい人向けの個室もあります。
ミシンを借りることができたり、
携帯電話のケースなど硬いものにも印刷ができるUVプリンターだって使えます。
こちらは、幅130cmの用紙に写真品質のポスターやステッカーを印刷できる大判プリンター。
なんと、3Dプリンターもあります!1プリント€0.7。
普通なら業者に頼むようなものばかり。図書館に来れば何でも自分でできてしまうってすごいですね。
わからないことがあればスタッフが教えてくれます。
さらに、この部屋は何だかわかりますか?
「Game Room」ではプレステやニンテンドーSwitchも貸し出しされています!日本だったら1日中籠る人が出てきそうだけど…そんな事態にはならないのかしら。
防音のレコーディングスタジオもあります。楽器の貸し出しだってしています。
他にも、お誕生日パーティーにも使えるキッチンスペースがあったり、写真スタジオがあったり。もはや図書館の域を超えています。
1階はオープンスペース。講演会や映画上映会ができる会場や、自由にチェスや囲碁(?!)ができる多目的スペースがあります。お年寄りの団らんスペースかな。レストランも併設されていて、様々なイベントも行われるようです。
まさに「国民への贈り物」という通り、老若男女問わずすべての人に向けて作られている印象を持ちました。ここまで設備が充実していると、どんなことでもとりあえず図書館に行って試してみよう!と思えて、新しい趣味を始めるのにもハードルが下がりそうです。
こんな施設が日本にもあったらいいのに。福祉や教育が充実している「北欧」の一片を垣間見た気がしました。